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みなさま
この前はおじゃましました。 ちょっと舞い上がってしまいました。 すみません。 その後、クラスは盛況でしょうか? なかなか個性豊かなメンバーで、 木曜クラスらしい?ですね。 大阪二科、チケットありがとうございました。 さっそく行ってまいりました。 なぜか「天王寺」というディープな場所で開催されています。 上野とも六本木とも違う雰囲気です。 昼間っから酒を飲みつつ、 串かつやどて焼きを食らう人々の喧騒の脇にある美術館です。 東京で二科展を見終わると なんとなくフレンチやイタリアン気分になるんですが、 ここは、ドヤ街とソースと二科展。 絵を見終わった気分と、 それを取り囲む街とのギャップに 頭がクラクラ。 余韻があっというまに掻き消されていく。 人間の繊細さよりも、 目の前には人間の生命力、 (それは根本的な「食べる」とか「その日を生きる」といった) そんな荒々しい大きなエネルギーの塊が、でんとある。 これがザ・大阪、なのかもしれません。 一方、竹内栖鳳。 先生のサガンメールを見て、興味をそそられ行ってきました。 目玉の猫の絵は会期が異なり見られませんでしたが、 ライオンや雨の風景など 心を惹かれるものが多くありました。 京都を中心に活躍していた人のせいか、 見慣れた風景、 いや風景というか網膜に微かに残った記憶というか、 その一瞬を「見たことがある」と感じさせる絵でした。 はかなさや幽玄、繊細さ。 かなり大きな未完成の滝の絵なんかは 抽象画を彷彿させ、すでに完成された絵のようにも思われました。 柴村先生の絵と共通したものも感じられました。 大阪、京都、東京。 街が変われば、感じ方も変わるんでしょうかね~。 次は、京都二科に行ってまいります! やすみち ************************ こんにちは! ご無沙汰しています。ちばです 大阪の二科行ってきました。 先生の絵はもちろん、東京の一室や二室などで見られる絵も 久々に鑑賞する事ができて、京都のときより二科をみた感じがしました。 毎回なにげなく見ていたようで、 あの作家さんのだ、と分かる絵を見つけるとホッとしたりして 知らず知らずのうちに勝手に愛着をもっていたのでしょうか。。。 でも作品数は東京よりぐっと少なくて物足りなかったかな~ 大阪まで出たついでにお昼はきつねうどん、夜は串カツを食べて とっても充実した一日になりました! そして先週は、野村先生がサガンメールで紹介されていた竹内栖鳳展へ。 いわゆる日本画のイメージと違うというか、新鮮でした。 圧倒されつつも、自分のもっている感覚とどこか近い気もしました。 そうそう、美術館に向かう途中、思いつきで隣の動物園に立ち寄ったのですが それが良かったのか、動物の量感・肉感・動きを画として表現する過程(?) というか、見たものを描くという流れをより生々しく感じた気がします。なんちゃって! この日はなんと、南禅寺近くの湯豆腐屋奥丹でランチ♪ 芸術の秋、食欲の秋を満喫していま~す 以上、関西支部鑑賞レポートでした! 追伸:大阪二科展示の様子を撮影したので、圧縮して添付しています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() +おまけ: 大人になると動物園に行く機会ってないですよね~ 今回一番ハマった動物はコチラです(添付の動画です) #
by sagan-t
| 2013-11-19 10:53
| 伝言板
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by sagan-t
| 2012-07-04 18:33
| 今週のアトリエ
メンバーの出入りがめったにないのが、いーような、いーワケじゃないような、まっ、いいかの暢気な弱小木曜クラスに新メンバーです。
まず、体験レッスンで、画材のことなどの概略を話しながら。。 3号のキャンバスで基本的な立体認識を整理するために、果実の球体を意識した基本モチーフで描いてみました。 今までにアクリルで描いた経験ありですが、メジュームの役割はこれから知ってただくことになります。 油彩のようにキャンバスの支持体に追及していくときに、水性絵具ということで、水で溶いて着色していくというだけの扱いをしがちです。 もっと積極的にアクリル画材の特性を考えていけば、さまざまに有効な画材なので、その感触からスタートとしました。 メジュウムを制する者アクリルを制す。 アクリル絵具の速乾性は最大の利点ですが、水溶性であるための乾燥後のへたりなど調整するべき弱点もまた考えなくてはなりません。 ![]() メヂュウムで調製した絵の具でボリュームを作り、ナイフで色彩の鮮度を保ちながら、モノだけに注意をむけてしまわずに、モノがあることで、変化し影響を受ける空間・光を意識しながら、画面に強弱を付けて・・・といった作業で、体験の2時間程度で作品ひとまずの状況。 立体の面・光・色彩といった関わりは意識されています。動きのある画面になりました。 ![]() 2週目、入会されて継続して追求できるので、アクリルで一気に描いた体験作品に、油彩絵具で加筆追求することにしました。 水溶性絵の具のアクリルは、乾燥後は耐油性になるので、アクリルの画面に油彩絵の具を載せることが可能です。 アクリルとはまったく違って、数時間では乾かない油絵の具は、画面の状態や計画をある程度考えていないと、画面で色が納まらずに濁ってしまい手ごわい感触で、影の色が納まりがよくなかったかも知れません、、次回修正。 しかし、油彩の色彩の輝き、混色の自在、構築性の奥行はこの手ごわい油彩絵の具の醍醐味です。 描き初めのアクリルのビビッドな調子が、油絵具に振り回されてくすんでしまったところ、影の色、タッチが光の状態の表現としては調子が強すぎて、少し落ちつけたいところです。 もありますが、対象の前で考えた時間が落ち着いて積まれているように思います。 ![]() 3号の小品を、あまり追いつめると鮮度がなくなりそうなのでひとまずおいて、油絵具の経験を進めるために8号でモティーフを組み、ざっと下塗りをした程度の状態です。 バックも単調ではなく、対象の関係のなかで光の変化を見つけようと工夫が見られるのは始めの一歩にしてはとてもよいと思います。 見えているところを見えたふうに描く・・にたような状態に追跡する、、と言うことなく、モノ・ビンや器の底、重なっている部分・・実際に見えない面こそ描くつもりで意識してみましょう。 自分から見えている部分だけを<見る>のみならず、ボリュームとして捉えようとするとき、奥行きのある空間をともなって成立します。 これは・・中級編の意識かな、、 とにかく、当面油絵具のいろいろな感触と効果を楽しんでいただけたらいいと思っています。 ![]() 画材の特性を経験の中で実感していく積極性はどの画材であれ必要です。 油彩絵の具の多様な効果と表現力、、、パステル、鉛筆、いずれにせよ、それぞれの画材の特性に積極的な想像力をもって、創造力につなげる意識は楽しく豊かな作業です。 漫然と溶き油や水で絵の具・画材にかかわらないで意識してみることがsagan-tクラス最初の希望です。 #
by sagan-t
| 2012-03-08 11:07
| 今週のアトリエ
![]() なんだかあやふやな形態と空間で、乾いた小さな瓢箪やポットが身を寄せ合って小さな声で何か話しあっているような、、不思議時間。 固有色に囚われず、光を感じるようにというつもりで書き進めていったと思うのですが、対象の状態や細部を説明して仕上がったつもりになる、表現が説明にすり替わってしまう無自覚を排したいと、敢えてゆるい面や調子を残して良しとしました。。 緊張した形態の解釈や構成などの意識を、内面に持っていくという今後の課題はあり、それがデッサンとかいう言葉で言われたりするけれど、コトを感じる視る力は変化し、進化します。 自分らしい解釈に自覚を見っていけると良いですね。 ともあれ、あれこれの作業の時間のなかで、あれこれと思う、、、その過程が楽しめれば、素敵な時間を持った画面が、それなりに立ち上がると考えます。 ![]() 新作描きだし、1週目。この状態の魅力をどのように、確認につなぐか。 絵の具としっかり関わって、優しくタフに。。さて、アトリエで考えましょ。 イースターは、春の祝祭。 寒い日々、芽吹きの色彩が待たれる気持ちで、おまけ。 ![]() #
by sagan-t
| 2012-02-06 18:23
| 今週のアトリエ
赴任中の上海から正月の帰省中に、アトリエに顔出ししてくれたmiwa氏の画像です。
仕事や住まいのペースも整ってきて、単身赴任で時間も取れそう・・と、イーゼルも買って、風景を描き始める用意もできてたそうです。 大気汚染のせいだとしても、近代的な大都市なのに異国の空はどこかノスタルジックな光と色ですね。 近代都市の高層ビル群が、霊山の山水画のような遠近を持って重なる。。その狭間からのぞく落日の強い光と。日本の都市とスケールが異なって見える風景を、観光で訪れただけの時間では得られない、生活を通して体感したものが作品に異なる空気感をもたらしてくれそうです。 miwaさんのこんな構想、視点。異国の大気の刺激を受けた風景が沢山の写真からもうかがわれます。 その土地、風景と自分を結びつける時間を通してmiwaさんの見た中国、どのように画面に立ち現れるのか楽しみに待っています。 それにしても写真もうまいよね。。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() リビングにイーゼルあり。画材専門店がずらっと並ぶテナントビルなどがあって、すごく画材が安いらしいよ。 ![]() #
by sagan-t
| 2012-01-12 03:12
| 絵画教室アトリエサガン
アトリエサガン 木曜クラス 継続中 休会中 ご近所 遠距離会員各位 今年も元気に良い制作ができますように。どうぞ 良い年でありますように。
さて、更新さぼりがちながら、画像おさえてはある、、、昼クラス それぞれの個性で制作中ギャラリーで更新はじめです。とりあえず。 simadaさん フランスの旅の成果 パステルの調子が柔らかく、手慣れたものになってきました。描き込むより省略するほうが難しいですね。細部にとらわれるのではなく、距離や視点を考えて捉えていけたらいいですよね。 ![]() さぼってんじゃないよ・・という題だそうですが・・とぼけたような、渋いような、mikami作品。 ゆるキャラが受けるように、ゆる描き、もち味で勝負もありだな。いがいと。 ![]() ちょつと休憩の後、復帰のkanaiお姉さま 小道をたどって水辺に抜ける輝く光を表現したい・・ところですが、樹木の距離や変化の表現がなかなか難問。スケッチは爽やかでいい感じですが、油彩の画面は大きく掘り返したり、追及できる画材なんですけど。。 ![]() ストイックにモチーフに取り組むkasaiさん 空気と光が動いていて好いと思うけれど、ボリュームをとらえれば空間は別個のものではなく成立することも考えて、、判りにくいかな。詳細はアトリエで・・・ ![]() 嬉しい復帰マダム tomita=iyokuさん 空気ごとモノの触るような、いい感じに沈む空間は静謐で魅力的。どのように仕上げるか、楽しみ。 ![]() もっとも新しいメンバーのmatumotoさん 明るい色でうまくいったり、ちょっと薄くくすんでしまったり、まだ絵の具や見方自分のものにならないところもあるかしら。 色彩や筆のストロークや表現の効果や解釈、絵の具の楽しさを追跡してみるために、カンディンスキーの風景をお手本に、強い表現を体験中。 ![]() トリは、問題はすべて自己責任で制作を進めてもらわねばならないkataokaさんのデッサン。 人体個々の捉え方は達者ですから、慣れてしまわない問題意識が必要でしょうか。 今取り組むテーマも自分の中に蓄積して、画面の構成力や表現のために、いろいろなエスキースで確認しています。 ![]() メンバー作品はまだあります。次回につづく #
by sagan-t
| 2012-01-05 04:25
| 絵画教室アトリエサガン
しみじみ女子会の夜クラスの昨今ですが、それなりの新婚、及び忙しい管理職のuemura=nagaiさんが、復帰してくれて、楽しくお弁当も食べていますよー
忙しいからこそ、仕事とは違う集中や追及の時間が、気分転換やリフレッシュになったり、ちょっとした時間に少し色が加わるといいのではないかしら・・生産的な気分の時間になるよう考えられたらと思います。 かれこれ自主制作にかかろうという、遠距離会員各位、描くことを自らのものにする、日常にそんな時間を組み込めますよう健闘を期待しています。 結構力強く 制作中yuさん ![]() ![]() 暮れの〆は、昼クラスは新しくできたイタリアンでランチ。 夜クラスははピザで、、、相変わらずでいられるって、嬉しいことかも。 ![]() #
by sagan-t
| 2011-12-22 03:01
| 今週のアトリエ
アメリカ近代絵画、そこそこの作家をざっくり展望できるフィリップスコレクション展にて。
夜クラスokazaki yuさんと会場でばったり遭遇。 ちょうど、オキーフィの葉っぱのポスターをモティーフにしていたので、興味、印象深く見ることができましたね。 印刷物でなんとなく認識していたのとは違う、野性的なようで洗練されたオキーフの画面の前で、デリケートな色彩の変化や調子、モダンな画面で、商品なのの心地よい緊張に、なるほどね・・と再認識。 不思議なフォルムの砂漠の教会の作品は(蟻塚か泥饅頭みたいな)yuさん友人がスマホですぐ実際の教会画像を出して確認してみる、、砂漠のこんな教会あるんだ!新しい鑑賞法ね・・ ![]() yuさんのレポート。サンキュウ。 sagan-tはデクーニンの大きい作品に満足。 12月某日、国立新美術館にてフィリップスコレクションを鑑賞してきました。 数ある作品のなかでも、オキーフとホッパーは際立ってました。 オキーフは葉の作品2点と、ニューメキシコのランチョス教会。デフォルメしてあるのかと思ったら実際にあんな形の教会とのこと。世界は広い、教会もいろいろなのですね。 これらの作品が並ぶ壁の周辺は、空気が違って見えました。緊張感があるというのか、とにかく綺麗で。 行く前から欲しいと騒いでいたホッパー「日曜日」のおじさんピンバッジを手に入れたので、チラシのオジサンと記念撮影。 会場でnomura先生に遭遇し、私と来ていた友人ともどもいつもの?ウエストで、パンケーキと何杯ものロイヤルミルクティーで展覧会鑑賞を〆たのでした。 会員からの展覧会レポート第一弾でした。 関西支部、上海支部からのレポートも期待しています! yu ![]() #
by sagan-t
| 2011-12-18 19:39
| 会員作品批評
平成23年11月12日
於 ブリジストン美術館 野見山暁治 をもっと知る (質問)毎日習慣になっていることは何ですか。 (答え)日常のことを話すのは難しい。夕方疲れた時に散歩している。 起きている間は、絵を描くのが好きだから絵だけ描いている。 学生時代にアトリエ村に住んでからずっと描き続けている。 周りの人には何を描いているのか分からないだろう。 学生時代モデルを描く時間に何時も遅くいったので、 何時も後ろの方で立って描いていた。 これが癖になった。 文章ならば散歩しながら何を書くか考えることが出来るが、 絵の場合は考えても描けない。 絵は、画面に向かってはじめて発想が湧き描くことが出来る。 (質問)油彩画の絵具は日本人には合わないとおっしゃっているが。 (答え)小学生時代の先生は日本画の人であったので、油絵具のことは教えて くれなかった。美校を受けると言ったら、日本画を薦められたが岩絵具を作 る作業など描くまでの準備が大変だったので油絵にした。 石膏像のデッサンを描けと言われたが、これは面白くない。 あんなものを何故描くのか不思議に思った。 美校に行ったのは、鑑札が必要だと思ったからだ。(生活を保証してくれると考えた) 親父は「川原乞食になるから美校に行かせない」と言ったが簡単に入ってしまので行くことになった。 油絵具は筆を洗うのが大変。自分はものぐさなので、最近は水墨画に変わりたいと思っている。 最近は水墨 画をやっている。 (質問)どういう女性が好きですか。 (答え)こんなお爺さんに惚れてくれる女性ならば直ぐに惚れる、相手次第。 (質問)エネルギーの源は何ですか。 (答え)絵を描くのが好きだから描いているだけ、急に変わったわけではない。 毎日の習慣でやっている。食事をするのと同じ。 (質問)タイトルと絵の関係はどうなのか (答え)今はわけのわからない絵を描いているので、符牒でもよいのだが 何かつけないといけないのでタイトルをつけている。 番号でも良いのだが番号で質問されても分からない。 人の名前もその人と合っていない人ことが多い。 正義が嘘つきだったりする等々、 言葉とタイトルは何でも合う。幾つでも直ぐにタイトルはつけられる。 (質問)パリで描いた絵と日本にいたときの絵の違いは (答え) パリに行って自分の絵が変わったことに気がつかなかった。 自分の絵は自分の中で描いているから変わらないと思っていたし、 セントラル美術館で個展をやって、人に言われて気がついた。 何故変わったかもわからない。 パリ留学が決まったが、たった1年ではもったいないと思い切り詰めた生活をした。 加藤周一「パリ通信」の挿絵のアルバイトをしてフランをもらった。 加藤周一を訪ねると髭を剃りながら「デーモンがないと絵描きとは言えな い」と言われた。 それが何のことかわからなかったが「最初の1年はフランス語の勉強と旅行、2年目から絵を描けと言われ た」これはよくわかったので実行した。ただフランス語は今も苦手。 フラン節約のため日本で買ってきた絵具は、フランスで2年目から描き始めたとき、あまりに色が違いすぎ て使えなかった。 (質問) 絵を描くとき気をつけていること (答え)最初は汚す。それがどうなるかを考えていると形が見えてくる。 次々と絵の方から呼びかけてくる。ぼんやりしていると気がつくが、この 辺りのことは本人も良く分からない。 (質問)黒はどう使うか (答え)絵具のことは余り知らない。前に使った色も忘れてしまう。 画材のことは恥ずかしいほど知らない。 最近はアクリル等新しい絵具が開発されている。 自分の特注の絵の具はない。素朴な画家だと思っている。 (質問) 表現について (答え)何を描いているのかよく質問されるが自分でも良くわからない。 (質問)来年の抱負は (答え)来年のことは考えない。考えないから抱負などない。 ブリジストン美術館は物故作家の展覧会しかやっていない。 今は、自分の回顧展をやっているが、遺作展になってしまわないか心配している。 ポスターを変えるのも大変だから。今迄、生き過ぎてきたので、 来年のことは考えない。 (質問)インスピレーションはどういう時にでるのか (答え)抽象画と言われることは不本意、ものを見て描くことが大切、 何時もスケッチブックを持って歩いている。描いたことで頭に残る。 漠然と頭に残った形をなぞっている。覚えていた形が出てくる。 木の枝の空間を描けばよい、犬を描けばよい ということなのだが、 神様が創ったものと同じように自分の自然、自分の犬を創りたい。 分からないと言われるのは私の責任である。 (質問)九州、産炭地・ボタ山の想い出は (答え)ボタ山とかトロッコとか、みんながなぜ本当の景色を描かないのか不思議だった。 戦時中、描く場所が禁止されていた、女性と歩いてはいけない、喫茶店に入ってはいけない等々沢山の制 限があった。 戦争が終わり、何を描いてもよいと言われたが、何を描いてよいのか分か らなかった。丁度その頃、セザ ンヌと出会った。 セザンヌに自然と人間のせめぎ合いを感じた。 ソルボンヌの学生とフランス国内を旅行しているとき、九州の田舎の匂いが した。そこは炭鉱地帯であった。 (質問)お好きな日本画は何ですか (答え)沢山あって言えない。古いものも良いし、東洋画も良い。 西洋画に憧れた理由は、油絵科に入ったが西洋人の描いたものをみたこと がなかった。フランスは夢であり、そこで絵を学んだ先生に憧れたが、 本当の西洋画を知りたかった。油絵の肌触り、一度でいいから本物を みたかった。 ある雑誌社の依頼で 坂本繁二郎に林武と岡本太郎のについて聴きに行っ たが、二人とも知らないと言っていた。 そして「パリに行っても仕方がない、無駄ですよ」と言われた。 東洋画には西洋画にあるような説明はない。 理詰めでない作品を見るとその時代の人間にあってみたい、どういう人間 がどういう暮らしをしているか。その時代に行って、その人に会ってみた いと思う。 藤田の絵は日本画に近い。パリでの8年目から日本人は西洋人と全く違うことが分かってきた。そのとき『東洋人は東洋人です』という坂本の話が良く 理解出来た。憧れの最高の絵は東洋画である。 (質問)美とは何か (答え)困った言葉だ。翻訳が悪い。西洋かぶれが訳したのではないか。 坂本繁二郎に「絵は「真善美」を備えていないといけない」と言われたが 分からなかった。自分の出品作を審査員であった坂本に落選とされたが 会員であったので何とか出展出来たが、それでも落選作と表示しろと 言われた。出品作は骸骨を描いた絵であったので。作品に真と善が 無いと思われたのだろう。 (質問)絵と文章は関係があるのか (答え)近いうち「絵と文章」という本をだす。 ただこの題名は好きではない。絵と文は独立していると思う。 挿絵は好きではない。ポスターは好き。挿絵は文章が良ければよいほど 描きにくい。井上光晴より、「文章を読まないで描いてくれ」と言われ、 大変面白いものになった。水上勉の小説も文章を読まないで描いた。 もの書きと絵描きと競争すると絵描きは徹底的にやられる。 (質問)完成という判断はどこでするのか (答え)これが難しい。頭にあって描き始めた人はこの判断が出来るが 自分は描いていくに従って変わるから非常に難しい。 ピカソは行きあたりばったり、マチスは色が合わないと徹底的に消す。 マチスには完成された絵が頭にある。 画家にはピカソとマチスのタイプがある。 その他に自分の理念があってこの理念に合わせるタイプがある。 自分の絵に台風を描いたものがあるが、この作品は描くに従って悪くな った。達成感がない。悲しいかな絵は元に戻らないし、確信もない。 文章は自由に直せる。 「これでどうだ」とワイフに聞いて判断したり、絵具屋さんの言ったこと で色を決めたりする人もいる。 「面白い絵とつまらない絵の違い」は、好きな絵は面白く、つまらない 絵は面白くない。絵は好き嫌いだと思う。 音楽は抽象である。絵はそっくりさんでは面白くない。 例えば山を描いた山の大きさや広さが感じられる絵でないといけない。 あるとき審査の基準を『好き嫌いで決める』と答えたらその人が「それ では自分審査ができる」と言ったので「好き嫌いにも程度がある。 好き嫌いにも教養がいる」と言ってやった。 (質問)震災後に描かれた「かけがえのない空」はその前と違いはあるのか (答え)私の絵そのものが被災地のようなもの、前後に違いはない。 眼に触れたものが絵になる。体験が眼・頭に残りそしていつか作品に 現れる。私の絵は何も変わらない。 「何かこういうものでないといけない」というものがあるがそれが何だ か分からない」 (質問)先生は幸せでしたか (答え)加山雄三という不思議な男がいる。その男に幸福という実感はある のだろうか、あるとすればきっとつまらないものだろう。 (質問)最近読んだ本は (答え)自分は書くので精いっぱい。 ジョン万次郎の子孫が書いた贈呈本が面白かった。 江戸時代とそのころの日本人について書かれているのが面白かった。 (質問)模写はしたか (答え)小さいものをよくやった。ゴーギャンが好きで鉛筆でよくやった。 歳をとったら画集は要らない。 (質問)良い女とは (答え)パリにいるとき、池田満寿夫とある彫刻家(飯田善国?)の3人で 飲んだことがある。 二人は次々と何人も女を変えたことを自慢していたが、自分はものを大切 にするタイプ、一人で十分最初の妻が死んだから二人になった。 (以上は2時間の応答からの抜粋) 開催中の野見山暁治展の講演の抜粋をまとめていただきました。 チケットを早々に入手したsimadaさんに、おばさんたちがおねだりしてご苦労戴いたレポートです。 #
by sagan-t
| 2011-11-20 20:34
| イベントなど
![]() 新しい地での各位の報告もいただいていますが、投稿待ってます。 昼クラスは、Tomitaさんが久々に復帰をしてくださいました。少し新鮮な風。 モチベーションの高い昼クラスそれぞれの制作ペースで進んでます。 simadaさんから10月のパリ旅行の印象をメールいただきましたので、転記させていただきます。 < 一昨年のパリ美術館巡りの際、オルセーには3度足を運びましたが、1階のミレー、シスレー等、 3階の印象派絵画をゆっくり鑑賞し、2階はさっと見た程度でした。 今回3階が改修中で見られませんでしたので、2回を中心に鑑賞することが出来ました。 ゴッホ、ゴーギャンの絵が数多くあり、その他、象徴主義、ナビ派の絵が多くありました。 纏まってみたことのない作者や、また始めて名を知る作者も多く新しい発見でした。 象徴主義とかナビ派という言葉は知っていましたが、まとまって作品をみたのは 初めてで新しい知識を得ることが出来ました。特にボナールの作品に魅かれました。> その後は夫人の運転で、印象派の聖地ノルマンデーを廻られた由。 エトルタ、オンフルール・・印象派の理解がより深まります。 南仏とはまた異なる魅力で、まさにスケッチ旅行コースですね。 ただいま、旅の成果、モンサンミッシェルをパステルで制作中。 行く度に新しい発見があるのが旅・美術館ですね。鑑賞するこちらの目、意識の問題ですね。 美術館の空間は時間旅行。いずれにせよ、制作は日常の冒険者たらんと。 #
by sagan-t
| 2011-11-07 20:06
| 今週のアトリエ
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